///////////悼//////////

shasha2007-07-19

ユング派心理学研究のゴッドファーザー河合隼雄さんの訃報が入り、個人的にはえっらい無念!
大学生の頃にチョーシに乗ってちょっと目指した臨床心理士。先達の頂きには河合隼雄がおりました。
フロイトやらユングやらサイコセラピーやら心理カウンセラーやら、なんかそういうのに興味ある時期ってありますよね?ない?ねーか!いやあるよ〜僕はありました。
でも、そのなかでこのセンセの興味だけは残った。だって面白いから。
このセンセはセラピーにおいて「箱庭療法」を用いた第一人者、という紹介がよくなされていますが、それより特出したいのは、さしあたってまず患者に対して「なにもしない」というところです。
「なにもしない」?。これは面白いですよ。それもただなにもしないのではなく「全力でなにもしない!」。もはや禅問答です。どういうことなのか興味引いちゃいますよね。
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著作物も面白いんです。
とにかく心理学コーナーにありながら、読みやすく、面白く、「ホントに賢いひとは、噛み砕いて話すのもうまい!」という僕のイメージにぴったり。
特に好きだったのが「ブッダの夢」という対話集。これ面白かったなぁ〜〜〜。でもこれは手に入りづらいみたい。
「大人になることのむずかしさ」という本も良かった。ちと他人のブログから本文を抜粋しましょうか。どういうハナシをする人か少しわかると思います。
「職業の選択」という見出しの付いた一節です。
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職業の選択や配偶者の選択においては、思いがけない偶然性が伴う時がある。職業や配偶者は、その人にとっての人生の一大事であるのに、偶然によって決めるなど、まったく馬鹿げているように思われるが、実際はその結果が上々であることも少なくないのである。(中略)
このことは、人生の不思議さといってしまえばそれまでだが、職業や配偶者の選択のような、あまりに重大なことになると、人間の意志や思考のみに頼っていては、あまりよい結果をもたらさないことを示しているのかも知れない。(中略)
深い必然性をもったものほど、人間の目には一見偶然に見えるといってもよく、そのような偶然を生かしてゆく心の余裕をもつことが、職業選択の場合にも必要であろう。もっとも、偶然を生かすことと、偶然に振り回されることは似て非なるものであることは、いうまでもないことである。一所懸命に行為してゆくにしろ、どこかに偶然がはいりこんでくるゆとりを残しておくことは、大人であるための条件のひとつといっていいだろう。
河合隼雄著『大人になることのむずかしさ』岩波書店、168,169ページ)
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うん、好きになって間違いなかった。
SDPの「偶然のアルバム」と一緒に、読めたらドゾ。
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ミーのリアルヨーダR.I.P。
(、、いやまだR.I.Pと言いたく無いなぁ。まだやってもらいたいことがたくさんあった。)
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追伸:
もういっこ。いいセリフがあった。
『三日坊主は、なんにもしない人より、三日もえらい』
こんなこというおじいちゃんが、今も欲しい。